ベルばら雑感ネタばれ満載

個人的な備忘録のつもりですが、長いです。

TVアニメ第24話

前半の集大成第24話。「アデュウ、わたしの青春」

始まりはジャンヌの脱獄。手引きした覆面の男は馬車内で、「わしはお前を助けた。おまえはわしの頼む仕事をする。それで如何か?」

ジャルジェ家周辺では、ロザリーのストーカーと化したポリニャック伯夫人が出没し、ついに乗馬中のロザリーに接近してポリニャック家へ来るよう情に訴えて来た。しかし「わたしはあなたへの憎しみを忘れかけています。ということは、あなたがわたしを産んだという事を忘れようとしている事だと思います」とロザリーは手厳しい。ポリニャック伯夫人は、アントワネットを騙した時と同様に綺麗な涙を見せるが効果なし。

「ジャンヌ・バロア回想録」脱獄したジャンヌが執筆した暴露本は飛ぶように売れていた。捜査しようにもジャンヌに関しては誰の口も固く、お手上げ状態。大臣たちはついに近衛連隊の出動を要請する。

で、サベルヌ修道院。いつ戻ってきたのかニコラスが、本のバカ売れで手にした金貨の山を前に浮かれている。一方でジャンヌは、正体の知れない黒幕を信用しておらず、慎重なマイナス思考かつ何となく自暴自棄ぎみ。

ジャルジェ家では、ロザリー宛に手紙が届く。差出人は「J」。もちろんジャンヌのJ。「わたしは幸せだからこれはお前が持っていなさい。」と書いて、母の形見の指輪を返してきた。ロザリーが、ジャンヌの見え透いた嘘を悲しんでいると、またポリニャック伯夫人が来襲。今度は泣き落としではなく、脅迫する。ジャンヌの夫はオスカルの部下、そしてジャンヌの妹であるあなたを屋敷に引き取っている事を明るみにすれば、オスカルも疑われて逮捕される。それが嫌ならポリニャック家へ来なさいと。

一方、オスカル達近衛隊は、ニセ情報に踊らされ、無駄な出動を繰り返していた。ポリニャック伯夫人の脅迫も、いよいよ法務大臣に報告という段階までエスカレートし、ついにロザリーが折れる。夜、暖炉の前で寝落ちしているオスカルの傍で、ロザリーが静かに涙を流すが、オスカルは目覚めない。

翌朝、ポリニャック伯夫人が自らロザリーを迎えに来る。何も聞いてないと興奮するオスカルに、ロザリーは多くを語らず (原作だと、お母様と呼べる人がほしいとか、ポリニャック家の方が地位も財産もあるとか、すぐにわかる嘘を並べていた)、涙の抱擁を交わし、オスカルがつけていたペンダントを贈られてジャルジェ家を後にする。

「いい娘だった。まるで春風のようだった。」

「さよならわたしの青春、さよならわたしの幸せ、さよならわたしのオスカル様。」

見送った直後、オスカルは例のロザリー宛の手紙(指輪は抜いてあった模様)を乳母から受け取り、ジャンヌの居場所がサベルヌとわかり考え込む。が、まもなく大臣にもホシはサベルヌ修道院に有りと言われ、出動する。暴露本が完結してジャンヌが用済みになったので、脱獄を手引きした男が密告したらしい。

修道院に到着したオスカルは、アンドレと部下達に待機命令を出し、銃声がしたら総攻撃を開始するように言い残して1人で中へ入る。立ちはだかるニコラスを、「銃声をたてると総攻撃が開始される」と脅して制止し、ジャンヌに投降を勧める。「ここを教えたのはロザリーかい?」「いや、断じて違う。」「こんなわたしにも1人くらい味方がいたんだねぇ。」としんみりしたところで、後ろからニコラスに銃で殴られ、オスカルは倒れる。オスカルを人質にして逃げようと言うニコラスに、ジャンヌは、「逃げたきゃ1人で逃げな。あたしゃもう飽きちゃったんだよ」と言い捨てる。「1人で逃げるんだったらこいつは要らない」とニコラスに首を締められたオスカルは、「アンドレ!」と声を絞り出す。しかしジャンヌは 、「こいつを殺ったところであたしたちどうにもならないよ!」とニコラスの背中を刺し、彼を引きずって地下室へ移動する。一方、オスカルの呼ぶ声が1人だけ聞こえたアンドレは、周囲の制止を無視して駆けつけ、動けないオスカルを残して地下室へ。が、火薬の燃える匂いに気づいて引き返し、オスカルを背負って爆発直前間一髪で脱出する。

「ごめんねニコラス。あたし1人じゃ寂しくて。」

「いいよ、おめぇ最高にいい女だったぜ。」

「ホントかい?嬉しい!」

この洒落たセリフはアニメ版のオリジナル。他でも原作とアニメは微妙に違う。原作のジャンヌは、最後まで諦めなかった。ロザリーの話をして、オスカルが油断したところをニコラスに抑えさせて刺し殺そうとするが、駆けつけたアンドレに突き飛ばされて、剣先の方向が変わってニコラスを刺してしまい、そこで発狂して階下へ転落して行った。そのように、原作だと最後まで生と富に執着したジャンヌだったが、アニメ版では、自分の人生をゲームのような感覚で遊んでいたように思う。 「面白かったわ。久しぶりにゾクゾクするくらい。子供の頃にこんなイタズラごっこ、したかったな、みんなと・・。」前回、獄中で呟いたジャンヌの台詞だ。ゲームだから、飽きたらそこで終わり。だから最後は諦めた。尚、物理的には聞こえるはずのないオスカルの声が、アンドレだけに聞こえたのは、原作もアニメも同じだ。

ナレーションによれば、「ジャンヌの脱獄を手引きして回想録の出版に手を貸したのは、オルレアン公か王弟のアルトア伯だと言われているが、真実は闇の中」との事。ちなみに史実では、ジャンヌが死んだのは、逃亡先のイギリスだったらしい。