ターニングポイント第4弾第34話。「今“テニスコートの誓い“」
「国民の96%を占める平民議員がフランスの真の代表だから、僧侶議員も貴族議員も平民議員と手を組みましょう。」ざっくり言えばそういう演説byロベスピエールから始まる。アンドレ情報によれば、「貴族議員からも、ラ・ファイエット公やオルレアン公のグループが平民議員に合流した」との事。そして、「三部会を平民が牛耳ってしまえば、事実上フランスの政治は俺たち平民のものになる」とアランは皮算用に勤しむ。一方、疲労著しいオスカルは、「新しいフランスが三部会から生まれてくる。それが成功するよう、議会と議員達を守るのが今のわたしの任務だ」と自分に喝を入れるが、突如咳き込み、微量ながら喀血する。
6月17日、一部の僧侶、貴族の合流を得た平民議員は、独自に国民議会と名乗る事を決議した。それを受けてフランス衛兵隊に、三部会の入り口を閉鎖するよう命令が降りる。オスカルはブイエ将軍に、「いかに国王陛下の命令とはいえ、国民が選んだ正当な代表に対する侮辱ではないですか」と食い下がるが、「陛下あっての国民、議場を閉鎖するのは陛下のご意志」と返され退出する。どうしたもんかと悩むオスカルに、意外にもアランは、「仕方ない」とあっさり。でも、「汚い手を使えば使うほど、俺たち平民は燃える」そうだ。
閉鎖された議場前で、ロベスピエールがオスカルに抗議するが、オスカルは無言。見切った平民議員達は、ジュー・ド・ポーム(テニス競技場)に場所を変え、「われら国民のための国民による国民議会は、国民の為の憲法制定まで決して解散しない」と決意表明する。時は1789年6月20日、「言った通りだろう?」とドヤ顔のアランであった。
混乱を収拾するため、国王はふたたび3身分の議員を一堂に集める決定をし、1か所だけ議場の扉を開く事になった。ところが僧侶、貴族が1人ずつ呼ばれて中へ入る中、平民議員が取り残されていく。オスカルが場を仕切っているラ・ボーム大佐に抗議をしていると、ロベスピエールが、「雨くらいでわたしらは負けないから」と止めに入る。それでも怒りが収まらないオスカルは、ラ・ボーム大佐を投げ飛ばし、すべての議場の扉の閉鎖を解除するように命令する。怒るラ・ボームにオスカルは、「見守る民衆たちによる暴動を未然に防ぐため」と言う大義名分を掲げてみせる。 ここ、原作では、ラ・ボームは投げ飛ばされずに立ち去り、キレたアランが「ぶった斬ってやる」と追って行って、止めに行ったオスカルの腕を抑えて無理矢理キスをしていた。遅れて追いかけてきたアンドレが、アランの腕を掴み引き剥がし殴ろうとするが、抵抗しようとしないアランを殴れずに手を離し、無言で去っていくアランに、「お前もか、アラン。報われぬ愛にこれからじっと長い時の営みに耐えるのか」と声に出すことなく語りかけていた。このように原作だと、同じ女性(オスカル)を愛してしまったアンドレとアランの関係も見どころの1つだったのだが、アニメ版のアランはアンドレ応援団に徹していて、オスカルへの思いはイマイチ見えて来ない。
話を戻す。議場では国王が登壇し、「自分が開いたのは三部会であって、国民議会ではない!直ちに身分別の討議に戻るように!従って全員すぐに退場せよ!」と叫ぶ。すると、僧侶と貴族は退場するが、平民議員は会場に居座り動こうとしない。そして、フランス衛兵隊B中隊が、全員ベルサイユの司令部に召集される。オスカルが1人司令官室へ向かうが、嫌な予感を感じたアランはアンドレをオスカルに同行させる。しかし、司令官室の前でアンドレは門前払いを食らい、ドアの外で待機することになる。ブイエ将軍の用件は、フランス衛兵隊B中隊の特別警備の任を解き、新たな命令として、「議場に居座る議員たちを1人残らず排除せよ」とのことであった。そして、「場合によっては発砲し、死に至らしめても構わない」と。「お断りします」と言ったオスカルは逮捕され、ブイエ将軍が出て直接兵士達に命令するが、アランは、「俺たちに命令できるのは、俺たちの隊長だけだ」と拒絶し、彼に同意した11名とともに連行される。戻ってきたブイエ将軍は、「彼らをアベイ牢獄に収監し、軍事法廷で12名全員に銃殺を求刑するつもりだ」と。また、「居座り議員達の排除は代わりに近衛隊が行う」と告げて退出する。オスカルは逆上し、見張りの者たちを振り切って脱出しようとするが、意外に手ごわく、ドアの外にいたアンドレを呼ぶ。速攻で入室したアンドレの手荒い協力により見張りを片付け、2人で近衛隊を阻止するべく議場へ馬を走らせる。いよいよ革命の本番近しというところか。