原作を初めて読んだ当時、私は、「なぜ、オスカルは、アントワネットに忠誠を尽くすという誓いを破ったんだろうか」と、しばらく考え込んだものだ。まぁ、アントワネットが悪いと言ってしまえばそこまでだが、それでも、アントワネットに最後まで忠誠を尽くして欲しかった!と思っていたのだ。だって、序盤にアントワネットがデュバリー夫人に声をかけて負けたっ〜!って号泣した時に、あんなに固く忠誠を誓ったんだから。
ただ、オスカルがずっと近衛隊にいると、池田先生お気に入りのアランの出番がなくなってしまうのは大問題だ。が、パリの治安維持のために、近衛連隊長オスカルが衛兵隊に協力を求めて接触するのは如何だろうか。怠慢で不在がちな衛兵隊長の代わりに、第1班長アランと軋轢の末に信頼関係を築けばよさげ。バスティーユ襲撃の時、アランが部下を率いて革命側に寝返るという事にすれば、史実とも概ね一致する。で、オスカルは事前に寝返りの計画をアランに打ち明けられるも、「協力はできないが、邪魔もしない」と、きれいに袂を分つ事にしたら充分胸熱〜っ!オスカルが敗者サイドにまわるのが良くないという人、多いかもしれないけど・・。
その後オスカルは、ベルサイユ宮殿からテュイルリー宮殿に移ってもアントワネットに寄り添い、フェルゼンらと共に逃亡計画にも奔走するが、史実通り失敗。ルイ16世が処刑された後、虐待されていたルイ・シャルルを拐って、アンドレと3人で野に下るという事で如何だろうか。
で、マリー・テレーズが釈放されて人質交換でオーストリアへ向かう途中、10歳になったシャルルが、オスカル、アンドレと共に農民姿で沿道に現れて一礼。賢いマリーは全てを瞬時に悟り、涙を流すも声は出さず、見えなくなるまでお互いのいる場所を見続けて、ベルばらは終了・・なんてね。