ベルばら雑感ネタばれ満載

個人的な備忘録のつもりですが、長いです。

TVアニメ第27話

ターニングポイント第1弾第27話。「たとえ光を失うとも」

倒れ込んだアンドレ、取り乱して駆け寄るオスカル。黒い騎士は余裕で逃げ去る。

アンドレの目を診察した医師によれば、「指示するまで包帯を取らないように、さもなくば失明するかもしれない」との事。アンドレに「お前の目でなくて良かった・・。」と言われた時に、いったん見開いてから伏せたオスカルの目は、何を物語っていたのだろうか。

一方、黒い騎士は、武器の運搬行列を崖の上から見下ろしていた。「1時間の演説より1丁の銃が必要」と仲間を鼓舞し、行列を襲撃して200丁の銃を奪う。で、ジャルジェ家ではオスカル父が困り顔。銃を奪われたのは彼の部下だった。

一方、アンドレの目の状態も良くない。オスカルは、黒い騎士をパレ・ロワイヤル付近で見失った事を思い出し、そこの住人であるオルレアン公を公式訪問する。

「黒い騎士を個人的にご存知ですか?」オルレアン公はもちろん否定するが、単刀直入な質問の仕方が気に入ったと、オスカルをサロンへ案内する。サロンでは、身分を問わず、様々な職種の若者が活発に議論を交わしていた。オスカルはとりあえず議論に加わるが、付き合ってくれた若い男に、「ジャン・ジャック・ルソーを読んでみてね」と言われる。あまり詳しくなさそうなオスカルに若い男が説明していると、初老の男が、地下のワイン庫へと誘いに来た。言われた通りにワインを鑑賞していたオスカルは、視聴者の予想通り、黒い騎士と他数人に銃を突きつけられて捕獲される。

 黒い騎士は、監禁したオスカルに、武器調達の総指揮をとるジャルジェ将軍に、500丁の銃を流すように手紙を書けと言うが、当然拒否される。

一方、パレ・ロワイヤルからオスカルが2日戻らないと知らされたアンドレは、医師の指示を破り包帯無しで仮面をつけ、黒い騎士の姿でパレ・ロワイヤルへ到着する。そして柵をよじ登り、半地下の扉を開けて進み、出会った見張りの男を殴って気絶させて鍵を奪い、オスカルを救出する。まもなく本物の黒い騎士が追って来るが、生け獲りにすると言い出すオスカル。前後から挟み討ちにして捕獲して、オスカルが黒い騎士と馬に2人乗りして門番を騙して駆け出し、直後にアンドレが、「今のは偽物だ」と門番を罵って追うふりをして脱出した。門番を罵るとき、原作のアンドレは、「オルレアン公への言い訳でも考えておけ!」と言っていたが、初めて読んだ時からこの台詞が個人的にツボで、今でも同僚や後輩がミスをすると、「◯◯さん(上司)への言い訳、考えといてね」と言う事がある。残念ながらアニメ版では削除された。

話を戻す。途中、アンドレを待つと馬を降り、馬上の黒い騎士に銃をつきつけるオスカル。黒い騎士は、オスカルが武器を持たない者を撃たないやろと、余裕で去ろうとするが、オスカルは相手によるぞと後ろから彼の肩を撃ち抜く。追いついたアンドレが仮面を剥ぐと、ロベスピエールといつぞや一緒にいた男だった。

男の名はベルナール・シャトレ、パリの新聞記者。逃げるぞとオスカルを脅すが、肩口を狙ったつもりが心臓の傍を撃ってしまったから動くと危ないと脅し返され動揺し、とりあえずオスカルを「王妃の犬」と揶揄する。

オスカルと一緒にベルナールの寝室を退出したアンドレは、階段の途中で左目の不調を訴えて倒れ、医師から左目失明宣告を受ける。逆上したオスカルは、ベルナールの部屋へ戻り、剣を振りかざすが、思いとどまる。

バルコニーに出るとアンドレが来て、「俺にはまだ右目がある。まだ何も失ってはいないよ。で、どうしてもあの男を当局に引き渡すつもりか?」驚くオスカルにアンドレは続ける。「今飢えているのは貴族ではなく民衆だ。我々には何も出来ないが、彼ならば民衆のために何かできるだろう。」オスカルは当然声を荒げるが、アンドレは笑い出し、「俺、どうかしちまったかな。すまない。貴族に雇われている事を時々忘れてしまう」と神妙に退出する。

馬車を飛ばして帰宅したオスカル父は、「黒い騎士捕獲で(オスカルの)少将昇進間違いなし」と大喜びするが、「人違い、ただの愚連隊でした。」とオスカルは偽りの悲報を告げる。

ふたたびベルナールのベッドサイドを訪れたオスカルは、オルレアン公との関係を尋ねたが、隠れ家に利用しただけとの由。それではと、奪った銃の代金に1000リーブルを払わせる約束をして、パリのタンプル街のロザリーの家に療養に向かわせる。さすがのベルナールも別れ際に礼をいうと、「礼ならアンドレに言え。ひょっとしたらあいつは、お前以上に黒い騎士らしい男だったかもしれない」との事。今回は1人だけ終始冷静に「民衆のため」を貫いたアンドレが、暴言多めだったベルナールよりも黒い騎士らしかったって解釈でいいかな?騎士は礼儀正しく上品なものですから。

原作では、 ベルナールに手を上げようとしたオスカルを、「武官はどんな時でも感情で行動するものじゃない」とアンドレが制止していた。本編のアンドレ死亡直後にもオスカルの回想に登場し、エピソード編では、聞いていないはずのアランにもなぜか語りかけられたアンドレの名台詞だが、アニメ版では削除され、代わりに アンドレが 「民衆のために」オスカルを説得する時間が長くとられていた。人(黒い騎士)を傷つけようとしたオスカルを制止した他は、多くを語らなかった原作アンドレと、オスカルを説得して革命の歯車を1つ回したアニメ版アンドレ。どっちが好き?わたしは両方好き!